NBAの給与ルールを巡り、ネイト・ダンカンの発言をきっかけに現地ファンの間で議論が起きている。ニュースというより、給与制度に詳しい人向けの議論だ。
ダンカンは、2023年の労使協定 (選手会とリーグが結ぶ給与ルールの取り決め) について、選手会が負けたという声は馬鹿げていると語った。選手全体の取り分は増えており、年に2、3チームで選手が1人減る程度なら、どの選手も金が増える方を選ぶというのが彼の主張だ。
ダンカンはほかに、サラリーフロア (チームが最低限使わなければならない年俸総額) が実質的な意味を持つようになった点を成果に挙げた。以前は期末までに達すればよかったが、今は開幕時点で達していなければならない。交渉した人たちは当時から良い仕事をしたと思っていて、その後の展開がそれを裏付けたとも述べている。
もう一つの主張は、第2エプロン (総年俸が一定の水準を超えたチームに強い制限がかかる仕組み) を、オーナーが都合のいい言い訳に使っているというものだ。実際は払いたくないだけだという。例としてセルティックスとジェイレン・ブラウンの件を挙げ、セルティックスは第2エプロンの近くにいなかったので、恐れてブラウンを出したわけではないと述べた。影響があったとしても、返ってきた1巡目指名権が3つでなく2つになった程度だという。
スレでは、この見立てに異論も出ている。ブラウンの件では、セルティックスは1季かけて年俸を削っていたので近くにいなかっただけで、延長契約が柔軟性を奪うことを避けるために出したのではないかという指摘が出た。ほかに、チームの年俸がいくらでも選手全体の取り分は関連収入の51% で変わらないと指摘するファンもいた。
巷の声
- 「ブラウンの件は違うのではないか。セルティックスは1季かけて年俸を削ったから第2エプロンの近くにいなかっただけで、延長契約が柔軟性を奪うので出したのだと思う。」
- 「第2エプロンと引き換えに、選手側はBRIに算入される収入をかなり増やした。この点を取り上げる評論家が少なくて驚く。割を食っている選手は全体のごく一部だ。」
- 「B級の選手に無茶な契約を出す球団が減り、ロールプレーヤーに回る枠が増えた。ただ、フォックス、エンビード、ゲイリー・トレント・ジュニアのような例外もある。」
- 「平均的な選手にはいい制度で、苦しいのはスターの方だ。超大型契約が出にくくなった分、ロールプレーヤーの価値が前より上がっている。」
- 「Redditで労使協定の是非を語っている人は、たいてい何も分かっていないと思っていい。」
第2エプロンを巡る論争は、ブラウン放出の理由という一点でさえスレ内で割れたままで、コメント欄の自虐のとおり誰も決着をつけられそうにない。
用語・人名メモ
- 労使協定 (CBA) — 選手会とリーグが結ぶ、年俸のルールや収入の分け方を決める取り決め。2023年の交渉が今回の議論の発端になった。
- 第2エプロン — 総年俸が一定の水準を超えたチームに、補強やトレードで厳しい制限がかかる仕組み。スレでは、サラリーキャップの135% が基準だと指摘されていた。
- サラリーフロア — チームが最低限使わなければならない年俸総額。ダンカンは、期末までではなく開幕時点で達する必要が出たことを選手会の成果に挙げた。
- BRI (バスケットボール関連収入) — リーグの収入のうち、選手との分配の元になる金額。スレでは、選手全体の取り分はその51% と指摘するコメントがあった。
- ロールプレーヤー — スター選手を支える脇役の選手。第2エプロンの影響で、こうした選手の価値が上がっているという声がスレにあった。
巷の声は r/nba のスレからの意訳。出典: 元スレ (reddit)