「特定地域出身の選手だけでNBAチームを作れるか」という仮想議論が、現地ファンの間で盛り上がっている。サッカーの成功例を手がかりに、NBA特有のドラフト制度と選手の希少性が大きな壁として挙げられた。
比較対象になったのは、スペインのサッカークラブ、アスレティック・ビルバオ(バスク地方出身選手を重視する伝統で知られるクラブ)だ。同クラブは自前の育成組織や地域の小さなクラブとの提携を通じて選手を育てるが、NBAチームには通常、そのようなユースアカデミーがない。選手の育成を高校、大学、海外リーグなど第三者に頼っているため、地元で才能が育つかは運に左右されるという見方だ。
さらにNBAでは、せっかく育てた地元の有望選手をドラフト(新人選手との交渉権をチームに割り当てる制度)で他チームに指名される可能性がある。つまり、数百万ドル規模の費用をかけて育成しても、自分のチームで確保できるとは限らない。地域限定チームを本気で作るなら、ドラフトの仕組み自体を変える必要がある。
一方、ニューヨーク都市圏なら約2000万人—単一の都市圏としては非常に大きな人口—がいるため、ジェイレン・ブランソン(ニューヨークを本拠地とするニックスの司令塔)やカール=アンソニー・タウンズ(大型得点センターとして知られる選手)らを含む強力な候補を集められるという声も出た。ただし、出身地・育った場所・大学所在地のどこを「地元」と定義するかで線引きは難しく、ブランソンの扱いをめぐっても異論が出ている。
巷の声
- 「サッカーで成立するのは、クラブが地域の育成に長年投資しているから。NBAは選手が別の場所で育つ仕組みなので、同じ方法は簡単ではない。」
- 「NBA選手は身長や身体能力そのものが非常に珍しい。地域の子どもを集めて育てても、プロ級の体格と技術を持つ選手が何人も出るとは限らない。」
- 「最大の問題はドラフトだ。自分たちが育てた有望株を、ライバルにほぼ無料で持っていかれる可能性があるなら、チームが育成アカデミーに大金を投じる動機は弱い。」
- 「ニューヨーク周辺なら十分に強いチームを作れそうだが、隣接州や大学時代まで地元扱いにすると、地域の境界があっという間にあいまいになる。」
用語・人名メモ
- NBAドラフト — 新人選手との交渉権を成績順などでチームに割り当てる制度で、地元で育った選手を必ず確保できる仕組みではない。
- アスレティック・ビルバオ — スペインのサッカークラブで、地元バスク地方にゆかりのある選手を重視する方針で知られる。
- 地元育成 — チームが地域の若い選手を長期間指導し、トップチームまで送り込む仕組み。NBAでは一般的ではない。
- ニューヨーク・ニックス — ニューヨークを本拠地とするNBAの伝統的な人気チーム。
- ジェイレン・ブランソン — ニックスの先発ポイントガードで、攻撃を組み立てる司令塔として知られる。
もしNBAがドラフトや育成制度を変える日が来れば、地域限定チームという空想がどこまで現実味を持つかが改めて議論になりそうだ。
巷の声は r/nba のスレからの意訳。出典: 元スレ (reddit)